【レポート】11/15(土) スポーツライディングを極める③「コーナーアプローチとキッカケ作り」 みんなのライディングスクール

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バイクにとってエンジンは心臓部。そこを流れるエンジンオイルはまさに血液のようなものです。高性能エンジンが本来のパフォーマンスを発揮するためには、エンジンオイルの性能に負うところも大きいのです。

エンジンオイルはエンジン内部パーツを潤滑し摩耗を防ぐだけでなく、ピストンとシリンダーの隙間を埋めて爆発力を高める密封効果などの他、冷却、清浄、防錆などいろいろな役割を担っています。高性能オイルはこれらの要求を高いレベルで満たすことで、エンジンの耐久性を高め、本来のエンジン性能を引き出すことができます。実際のところ、街乗りであれば冬場の始動性の良さや夏場の渋滞路での熱ダレしにくさ、サーキットのような過酷な条件下であればラップタイムやエンジンの寿命などにその違いが表れてきます。その意味でエンジンオイルはまさに「チューニングパーツ」と言っても過言ではないでしょう。

一般的に高性能オイルと呼ばれるものは化学合成油が主流です。昔は高温安定性を求めるには高粘度(ドロドロ系)が必要でしたが、最近では技術革新により低粘度(サラサラ系)でもしっかり油膜をキープできる低フリクションタイプも出てきています。エンジンパーツの加工精度が向上したことで公差(設計上許容される誤差)が少なくなり、薄くても強い油膜が要求されるようになったことも理由のひとつです。

ただし、高性能オイルも万能ではありません。バイクの使い方やエンジン形式によってオイルとの相性もあるため、オイルの粘度やグレードを含めて「自分が乗るバイクにとってのベストはどれか?」を探すことが大事でしょう。

さて、高性能オイルのメリットについてはご理解いただけたと思いますが、オイル交換によってもたらせる効能は性能面だけではありません。ライダーが最も体感しやすいのがフィーリングの違いです。エンジンオイルを交換しただけで「エンジンの回転が軽くなった」とか「エンジン音が静かになった」などと感じたことはないでしょうか。また、新品のオイルは粘度も安定しているため「シフトタッチがスムーズ」になるはずです。まるで新車に蘇ったかのような気持良さを得られるのがオイル交換の楽しさですよね。これは高性能オイルに限ったことではないですが、ハイクオリティが保証されているオイルであれば尚のこと、気分も高揚することでしょう。ブランド物のアイテムを身につけると気分がいいのと同じですね(笑)。

「自分でオイルを交換してみる」というのもバイクライフの楽しみ方のひとつです。エンジンオイルの交換は比較的簡単な作業で、適切な工具と知識があれば誰でもトライできるものです。愛車を自分の手でいじれば愛着もより深まるでしょうし、セルフメンテナンスへの第一歩として自信にもつながることでしょう。

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さて、オイル交換のメリットは分かったところで、実際にオイル交換を行う場合の注意点についていくつかご説明しましょう。

まず自分のバイクの「オイル交換の手順を知る」ことと「必要な工具・備品を揃える」ことが必要です。

まず工具や備品類をひととおり揃えて、作業しやすいように近くに整頓しておくのが作業をスムーズに行うポイントです。中程度の大きさのバットなどを用意して、その中に工具や外したパーツをまとめておくと便利ですね。

工具としては、ドレンボルトを脱着するためのボックスレンチ、フィルターまで交換するならその取り付けボルトに合ったサイズのレンチや、最近のカートリッジ式の場合はオイルフィルターレンチも必要になります。備品としては、廃油を受ける容器やウェスなどが最低限必要。使い捨てタイプの「オイルパック」やメンテナンス用の「ペーパータオル」、「メカニックグローブ」(軍手でもOK)などがあるとクリーンで作業もしやすくなります。
他にもドレンボルトに付属するガスケットも、できれば新品を用意したほうが安心です。車種ごとのサービスマニュアルを用意すると、作業手順や締め付けトルクなども記載されているのでさらに安心です。サービスマニュアルはバイクを買ったショップや量販店でもオーダーできるはずです。

オイル交換の手順ですが、まずはスタンドを立てた状態で十分暖気した後で必ずエンジンを止めて行います。
エンジンがチンチンに熱い状態だと火傷するので、少し冷えるのを待ちましょう。理想はセンタースタンド。サイドスタンドでも可能ですが、車体が傾いていると低い側に古いオイルが残るので、気分的にもスッキリしません。
車体をまっすぐに立ててオイルが完全に抜けるまでしばらく辛抱するか、クルマ用のジャッキをかますのも手です。もちろん、レーシングスタンドなどがあれば完璧ですね。

フィラーキャップを外したら、エンジンの下にオイルパックリなどを置いてから、ドレンボルトを外してオイルを抜き取ります。このときボルトやガスケットをオイルの中に落としてしまうと、探すのが大変なので最後はゆっくり慎重に外しましょう。
オイルが完全に抜けたら、再びドレンボルトを取り付けてエンジンオイルを規定量注入します。オイルが各部に行き渡るまでには少し時間がかかります。ここでも車体を垂直にして何回か継ぎ足す容量で、オイルレベルをチェックしましょう。
最後にフィラーキャップを取り付けたら、しばらく暖気してみてエンジンを停止し、オイルレベルを最終チェック。ドレンボルトその他の部分からオイルの滲みなどがないか確認しておきましょう。
マフラーなどに付着したオイルは焦げてとれなくなるので、きれいに拭きとっておきます。廃油に関しては間違っても下水に流すことなどせず、自治体の決まりに従って処理は確実に行ってください。オイルパックリなど専用の容器を使えば、家庭ゴミとして処理できるはずです。

また、オイルフィルターを取り外す場合は必ずオイルを抜いてから行います。そうでないと、ドバァとオイルが溢れ出て大変なことになりますから。オイルフィルター交換は車種によって勝手がだいぶ異なるので、ここでは割愛させていただきます。まずは簡単にできるオイルのみの交換にトライしてみてはいかがでしょうか。

オイル交換に際して、カウルやマフラーの脱着が必要になるケースもありますが、その場合は無理せずショップに依頼したほうが無難です。お店によっては嫌がられることもありますが、一度作業を見せていただいて、ひととおり手順やコツを覚えてから、自分でトライしてみるのが確実でしょう。

大事なのは「メンテナンスを楽しむ」ことです。自信がないのに無理する必要はありません。自分の愛車を自らの手を汚してケアしてやりたい。そんな気持ちがあれば、あとは少しの勇気を持ってトライしてみてください。

Webikeみんなのスクール校長 ケニー佐川